旧知の友人に誘われて、春の京都に行ってきた。観光ではない。もちろん京都駅は、全国旅行支援も手伝って、春の観光客で賑わっている。外は冷たい雨。それでもコロナ禍を経て、この日は京都へ行くと決めたのだから、楽しむしかないじゃん。そんな人たちの笑顔を横目に、体育館へと向かう。
3月26日、27日の2日間、京都市内の体育館で「第58回 全国高等学校 交歓バスケットボール京都大会(「京都交歓」と呼ぶ人もいるようだが、以下、友人の言葉を借りて「京都招待」)」がおこなわれた。京都府の新人大会ベスト4の男子チームと、府外から招待された高校男子12チームの計16チームによる交歓大会である。4チームが4つのブロックに分けられ、予選リーグは8分の4クォーター制。各ブロックの同じ順位で決勝リーグをおこない、こちらは10分の4クォーター制。ただし、どちらもハーフタイムは5分。正規の時間ではないが、先日レポートしたKAZU CUP同様、各チームが現在地を探ろうとしていた。
昨年の悔しさを乗り越えて ── 北陸学院
初日の会場、久御山町総合体育館ではBブロックとDブロッックがおこなわれた。Bブロックを1位通過したのは北陸学院(石川)。濱屋史篤コーチが言う。
「(同じブロックの)中部大学第一(愛知)に勝ち切ったことは選手たちの自信に繋がったんじゃないかと思います。北信越ブロックの新人大会では4位に終わり、特に帝京長岡(新潟)と北陸(福井)に負けた要因として、長身の留学生がいるチームに対してどこまでやれるかが課題でした。具体的に言えばリバウンドです。それが中部大一の試合では(留学生がいても)リバウンドを取れていたというところで、課題は改善してきたんじゃないかなと思っています」
結果として2日目の第1試合に敗れ、優勝決定戦にこそ進めなかったが、2日目も東山、京都精華学園(いずれも京都)という、長身の留学生を擁するチームと対戦できたことは、春の課題に真正面から取り組むうえで良い経験だったと言える。
昨年は坂口大和や森田稀羅、直井隼也など180センチを超すオールラウンダーたちがチームを牽引した。今年は違う。スタメンこそ180センチを超す選手が4人そろっているものの、5人それぞれに明確な役割を与えたチーム作りをしている。
「例えば点数取るのは松浦将大と林龍亮の2人ですが、2人には『失敗してもいいからとにかく行けよ』と背中を押すようにしました。それが試合を重ねるたびに良くなってきたと思います。東山の試合だけはちょっと下を向いちゃったので、あそこさえなければもっと良かったんじゃないかという声掛けもしました。それが自信に変わっていけばもっともっと良くなってきますし、そういった意味合いでは収穫の非常に大きな大会だったと思います」
コメントこそチームの得点源に言及したが、北陸学院のベースはあくまでもハードなディフェンス。濱屋コーチも「それがなければウチは勝てない」ときっぱりと言っている。
昨年はオールラウンダーが多かったこともあり、早い時期からオールコートディフェンスを敷いてきた。しかし最後の最後、ウインターカップ予選の決勝戦でそれが機能せず、本大会に出られないという憂き目を見ている。