帰化枠のニック・ファジーカスを擁する川崎ブレイブサンダーズは、ジョーダン・ヒースとマイケル・ヤングジュニアの3人を同時起用できるビッグラインナップを誇る。しかし、佐藤賢次ヘッドコーチは「ひとつの武器としてタイミングがあれば使っていくが、バイウィークで練習してきたのは別のところ」と強調する。インサイドを固めるオールドスタイルに変わり、小さくても機動力が求められるのがモダンなバスケスタイルだ。
「バイウィーク期間にオフェンスもディフェンスでも改善してきたんだ。これから自分たちが変わるために、そしてチャンピオンシップへ向けても良いスタートを切ることができて良かったよ」
3月8日の新潟アルビレックスBB戦で活躍したマット・ジャニングは、その勝利を喜ぶ。196cmのシューティングガードが、川崎のバスケを洗練させている。
今シーズン開幕戦で右大腿二頭筋肉離れのケガを負ったジャニングは、早々に戦線離脱。昨年末に復帰を果たしたが、週末と水曜ゲームが続く混み合った期間は、試合をしながら調子を上げていくしかなかった。ジャニング不在の前半戦は、思うように勝率を伸ばすことができない試合が続く。中地区首位に立っているが、黒星はすでに昨シーズンの13敗よりも多い(24勝)15敗。過去3年間、7割を切ることがなかった勝率も現在は61.5%と、らしくない。安定して勝利するためにも「チームとしてひとつになることが大事」というジャニングにとって、原点に戻るためのバイウィークだった。
「リバウンドやディフェンスをもっと徹底し、オフェンスでは良いスペーシングを作っていくなど、細かい部分を突き詰めることが大事になる。3週間のバイウィークでその部分を修正する時間に与えられたのは、すごく良い機会だった」
ケガから復帰したジャニングは平均12.9点、シュート成功率43%(※3月8日現在)で、昨シーズンと変わらぬ活躍を見せている。復帰後15試合を経た今、「しっかりチームにフィットできている。また、僕が戻ってきたことで、今シーズン準備してきたラインナップが使えるようになって良かったよ」というジャニングは3試合連続先発で起用され、3連勝で巻き返しがはじまった。