「戦略戦術を学び、ちょっとずつ脳みそを使いはじめた感じです」
「天皇杯 第48回日本車いすバスケットボール選手権大会」において悲願の初優勝には届かなかったが、2大会ぶりにファイナルへ返り咲いたNO EXCUSE。1回戦のLAKE SHIGA BBC戦も準決勝の千葉ホークス戦も、相手にリードされて前半を終えた。
「チームとして一貫性と修正を掲げ、練習してきたことの戦略戦術を信じながら最後まで戦えたことが良かったです。相手の攻撃に対しても監督や仲間のプレーを信じてディフェンスを変更し、修正しながらガマン強く戦い続けたことが勝利につながったと思います」
NO EXCUSEが決勝進出を決めた直後、#9 仙座北斗の第一声である。後半に引き離されて敗れた相手も、NO EXCUSEの対応力に白旗をあげた。
3年半ぶりの天皇杯は、各チームの戦力も様変わりしていた。NO EXCUSEのローポインターは2004年アテネと2008年北京でのパラリンピックに出場し、50歳を迎えた東京パラリンピックではわかりやすい解説で喝采を浴びた #12 森紀之(1.5)や、バックアップの #27 湯浅剛(1.5)が主力だった。今年の天皇杯では、#8 大嶋義昭(1.0)とともに、先発を任されたのが仙座(1.5)である。前回の天皇杯は「ほとんどベンチでしたね。スタメンで天皇杯に出るのは、はじめて。かなり緊張感がありました」と言うように、この3年半で力をつけてきた。元日本代表の及川晋平ヘッドコーチが復帰したことも大きい。
「これまではどちらかというとフィジカル面を意識して取り組んでいましたが、及川さんが帰ってきてチームとしての動きや戦略戦術を昨年6月から学んでプレーするようになりました。ちょっとずつ脳みそを使いはじめたという感じです。それが先月のブロック選抜でベストファイブに選ばれ、結果としてついてきたことでちょっとずつ自信にもつながっています。そこが変化したところかな」
プレータイムは湯浅とシェアしながら「私はスピードですが、彼はボールハンドリングと全然プレースタイルが違う1.5点なので、だからこそ力強くプレーできています」という仙座だが、一番の武器は「チーム力」と強調していた。