その前日、予選グループBは決勝トーナメントに進出する4チームが決まっていた。
そのなかに日本の名前はない。
しかしそれで予選のすべてが終わったわけではない。
予選グループAは、1位通過のアメリカと最下位のボスニア・ヘルツェゴビナを除いて、きょう、順位が決まる。
韓国とプエルトリコは、その直接対決で勝者が4位で決勝トーナメントに進むことになっている。
緊迫の一戦といっていい。
その状況をどう捉えるか。
試合前の表情や立ち居振る舞いを見る限り、韓国はそれを勝たなければならないといった感覚で、プエルトリコはどこかそれを楽しもうといった感覚で捉えているように見えた。
国民性もあるだろうが、その差は結果にも表れる。
韓国<73‐92>プエルトリコ
序盤から波に乗ったのはプエルトリコのミャ・ホリングシードだった。
「プレーヤー・オブ・ザ・ゲーム」に選ばれた193センチのパワーフォワードである。
まだ22歳というから、前日に掲げたオーストラリアのエジー・マグベガー同様、これをきっかけに世界に出ていくかもしれない。
ワールドカップは新しいスターを生むステージでもある。
“スターの卵” だけではない。
ベテランのジェニファー・オニールは前半2つのクォーターで、それぞれブザービーターを沈めて、韓国にダメージを与えた。
それだけではない。
彼女はリバウンドやルーズボールにも絡んでくる。
身長165センチ。
日本にもたくさんいそうなサイズだが、彼女はそれをもろともしない。
むしろフィジカルの強さと併せて、自分自身を最大限に生かそうとしている。
アジアでは憎々しいまでにフィジカルが強いと思っていた韓国が、プエルトリコのそれには敵わないのである。
それとも、最近の韓国はフィジカルコンタクトを嫌がるようになってしまったのだろうか。
そのままスーパードームに残れば、アメリカ対ボスニア・ヘルツェゴビナが見られる。
しかし、その時間はシドニーオリンピックパーク・スポーツセンターでグループAの2位争い、中国とベルギーの試合を見ておきたい。
ベルギーはエースのエマ・メッセマンが前日の試合で左足を痛めていた。
そのため、きょうはベンチでチームをサポートする側に回ったが、求心力を欠いたチームは勝負のかかった終盤に引き離されてしまう。
立て直したい場面で立て直すことができなかった。
<81-55>
中国が想像以上の大差でベルギーを下し、グループAの2位通過を決めた。