第71回スプリングトーナメント(関東大学バスケットボール選手権大会)は最終日を迎え、専修大学と昨年のインカレチャンピオンの白鷗大学が決勝まで勝ち進んだ。準決勝の日本大学戦同様、ビハインドを背負いながらもガマンして戦い抜いた専修大学が71-55で逆転勝利し、18年ぶり2回目の優勝に輝いた。専修大学の佐々木優一監督は18年前にキャプテンとして出場し、選手と指揮官の両方で栄冠を手にした。
その佐々木監督は「私が掲げたプランを40分間切らさずに戦ってくれた」と勝因を挙げる。対する白鷗大学の網野友雄監督は、「自分たちが用意していたディフェンスのプランや、特にリバウンドの遂行力がチーム全体としてできなかった」と述べ、明暗が分かれた。リバウンドでは20本の白鷗大学に対し、専修大学は47本で圧倒する。守っては2本しか3ポイントシュートを成功させず、逆に#16 浅野ケニー(2年)と#44 米山ジャバ偉生(3年)が終盤に長距離砲を次々と沈め、専修大学が突き放していった。14点・18リバウンドで活躍した#13 クベマ・ジョセフスティーブ(3年)がMVPを受賞。昨年のインカレでは途中でケガにより戦線離脱した悔しさもあり、「絶対に優勝する気持ちが強かった」という言葉どおり、最高の結果をたぐり寄せた。
専修大学キャプテンの#14 鈴木悠斗(4年)は、「初戦はなかなか40分間自分たちのバスケを続けられず、そこで選手ミーティングをしたことでチームが一つになれた」と明かす。それぞれが抱えていた不満を出し合ったことで結束力が高まり、ガマンして戦い抜ける強固なチームワークを発揮できた。佐々木監督は「個ではなく、チームとして何をすべきかを考えてプレーできるようになった。チーム全員で勝ち獲った優勝」と話し、選手たちの成長を評価する。
昨年はキング開(現横浜ビー・コルセアーズ)のキャプテンシーが目立っていたが、今年のチームは学年やポジションに関係なく声を掛け合う姿を見せ、新たなチームカラーを表現する。相手と交錯し、途中退場となった#11 赤嶺有奎(3年)は抱えられながらも、コートで戦う仲間たちへ向かって振り返り、「がんばれ」と一声かけたことでさらに集中力が高まったように感じた。米山は「40分間ディフェンスとリバウンドを、誰も手を抜くことなくできたことが優勝につながった」と自信を見せる。佐々木監督が就任当初から徹底させ続けてきたディフェンスとリバウンドがようやく実を結び、一つ目のタイトルをつかむことができた。