「Denka Presents Wリーグプレーオフ 2021-2022」は2戦先勝方式のセミファイナルが行われ、いずれもスウィープ(2連勝)で早々に決着がついた。2連覇を狙うトヨタ自動車アンテロープスと、富士通レッドウェーブが6年ぶりにファイナル進出を決めた。コロナ禍により試合数が揃わないことで勝ち点が伸びず、レギュラーシーズンの順位こそトヨタ自動車は2位、富士通に至っては5位だった。しかし、勝率ではいずれもトップ同士である20勝2敗のトヨタ自動車と17勝3敗の富士通が順当に勝ち進んだ。4月16日(土)から代々木第一体育館にてファイナルは開幕し、先に2勝したチームが今シーズンのチャンピオンに輝く。
「もっともっと一人ひとりが成長しなければいけない」シャンソン 小池遥
2016-17シーズン以来となる4強入りを果たしたシャンソン化粧品シャンソンVマジック。それを経験しているのは、当時アーリーエントリーで入団したばかりの小池遥だけである。その後チームは様変わりし、今ではキャプテンとして新生シャンソンを引っ張ってきた。昨シーズン開幕当初は11人しかいなかったが、アーリーエントリーなどで頼もしい仲間が加わり、クォーターファイナルではデンソー アイリスを破って快進撃を見せる。
しかし、トヨタ自動車との初戦は57-80と大敗を喫し、「泥臭いところからやっていかなければならない」と小池は原点に立ち返る。迎えた第2戦はルーズボールを追いかけ、立ち上がりから食らいついて行った。時間が経つにつれ、高さで上回るトヨタ自動車にインサイドを突かれて連続得点を許し、55本のリバウンドを取られたことで点差が開いていく。トヨタ自動車のルーカス・モンデーロヘッドコーチは、「このチームの強みは団結力」と明言し、ケガの梅木千夏を除く全員出場を果たしたことでさらに士気が高まっている。出てくる選手がそれぞれ仕事を果たす層の厚さを見せつけるとともに、ベンチに下がった馬瓜エブリンら主力メンバーが声をかけてハイレベルの戦いを保たせ続け、隙がない。83-63で勝利したトヨタ自動車が、2年連続7回目のファイナル進出を決めた。
李玉慈ヘッドコーチが新型コロナウイルスによる濃厚接触判定となり、直前に隔離を余儀なくされたことで、セミファイナルは鵜澤潤アシスタントコーチが代行で指揮を執る。セミファイナルで敗れたが、「最後まで選手たちは一生懸命がんばって戦い、目標のベスト4に到達できた。来週のファイナルに李ヘッドコーチを連れて行くという約束を果たせなかったのは残念だったが、昨シーズンと比べればものすごく成長し、収穫のあった素晴らしいシーズンだった」と鵜澤コーチは選手たちを労った。