1敗同士の天王山「トヨタ自動車vsデンソー」は1勝1敗
Wリーグ第14週を終えた時点で、1敗同士だったトヨタ自動車アンテロープスとデンソーアイリスが、3月5日・6日に今シーズン初対戦を迎えた。黒星の数こそ同数であり、リーグ最少の両チーム。しかし、コロナ禍により延期や中止が相次ぐ中、試合数が揃わない。勝ち点で争われるWリーグは、FIBA(国際バスケットボール連盟)主催大会同様に勝てば2点、負けても1点が付与される。ただし、試合が成立しなかった場合はどちらも0点のままとなる。そのため、すでに24試合を全うしたシャンソン化粧品シャンソンVマジックは、13勝11敗ながら第14週時点で勝ち点37はトップだった。一方、18試合しか消化できていないデンソーは3位、さらに2試合少ないトヨタ自動車は6位という状況である。1敗同士の直接対決の結果は1勝1敗の痛み分け。20試合を終えたデンソーが、18勝2敗で首位に立った(3月6日現在)。
天王山とも言える1敗対決は、“奇跡”が起こらなくても取材するつもりだった。とはいえ、会場に来たからには500円を払って、全182選手(※アーリーエントリーを除く)を対象にしたミニチュアアクリルスタンドを選ぶ箱に手を突っ込まずにはいられない。金色の封印を開けると……奇跡は起きた。トヨタ自動車のキャプテンである河村美幸を引き当てたことにガッツポーズするとともに、このコーナーが続けられたことに感謝。ぜひ、会場へお越しの際は、運試しをお楽しみあれ。
初戦は64-69で、デンソーが接戦をものにした。連続8点を献上した立ち上がりが悔やまれたが、河村は手応えも感じていた。試合後のロッカールームでは「負けたけど、みんながポジティブな意見が発していたので、明日は違ったゲームができると思います」と、チームの雰囲気も悪くなかった。その言葉どおり、2戦目は序盤からリードを奪ったトヨタ自動車が66-57で早々に借りを返す。
昨シーズンのチャンピオンであるトヨタ自動車は、2連覇へ向けて調子を上げている。「試合中にミスがあっても、ベンチも含めて全員が声を出している」という活気が、チーム好調の証だ。しかし、皇后杯準々決勝で富士通レッドウェーブに敗れた昨年12月時点は、「孤立してしまうトヨタの悪い部分が出ていました」と河村は振り返る。キャプテンの河村が練習から積極的に声をかけ、チームを盛り立て、良い雰囲気を作り出している。