B2プレーオフが開幕し、早くもセミファイナル進出の4チームが出揃った。いずれも東地区が勝ち上がり、あと2勝したチームがB1昇格を果たす(※越谷アルファーズのみ来シーズンもB2ライセンスのため昇格対象外)。
[B2プレーオフ セミファイナル]5月15日〜17日(3戦2先勝方式)
・群馬クレインサンダーズ(東地区1位)vs 越谷アルファーズ(東地区3位)
・茨城ロボッツ(東地区2位)vs 仙台89ERS(東地区4位 ※ワイルドカード)
ベンチプレーヤーがインパクトを残した層の厚さ
両チームが初のB2プレーオフ進出を果たした茨城ロボッツ(東地区2位)vs佐賀バルーナーズ(西地区3位)による準々決勝。ホームの茨城が2連勝して準決勝へ駒を進めるとともに、B1昇格に王手をかけた。1戦目の第1クォーターを終え28-19、2戦目も開始4分で11-4と茨城が先手を取る。「スタートで起用した(アブドゥーラ)クウソーや鶴巻(啓太)は素晴らしいディフェンダーであり、チームにエナジーをもたらせてくれた」とリチャード・グレスマンHCは評価する。合わせて、ベンチプレーヤーも含めた選手層の厚さも茨城の強みである。「交代で入る選手たちが、それぞれの能力を生かしてゲームに入ってくれている。4〜5分間で入れ替えながら、コートに出ていく選手たちがアグレッシブにプレーをしてくれている」と指揮官が言うのも、スタートダッシュの要因となった。
短期決戦のプレーオフでは流れをつかむことが重要となる。佐賀にとってもその流れをつかむチャンスは幾度となくあった。第2戦目は第2クォーターと第4クォーターに茨城にアンスポーツマンライクファウルがコールされた。フリースローとともに与えられたオフェンスチャンスに、マルコス・マタが3ポイントシュートを決めて応戦する。「佐賀は手強い相手だった」と認めるグレスマンヘッドコーチであり、「佐賀はいくつかのタフショットを決めてきた。終盤には2桁あったリードを一桁まで詰めてきた。それだけ力のある佐賀を相手に勝ちきれたことをうれしく思う」と胸を撫で下ろす。
ディフェンシブな戦いが強いられるのもプレーオフの特徴だ。茨城は失点を80点以内に抑えることを目標に設定する。1戦目は101-93と失点が多かった。2戦目は86-79で勝利し、「小林(大祐)はディフェンスで貢献し、小寺(ハミルトンゲイリー)も簡単にゴール下のシュートを許さなかった。ベンチプレーヤーたちも大きなインパクトを残してくれた」とグレスマンヘッドコーチは話し、チームとして改善が見られている。「リバウンドからハードに行こう」と気合を入れて臨んだ小寺は13本のリバウンドを奪い、気を吐いた。47-34とリバウンドで13本も上回ったこともまた、茨城の勝因である。