“新生京都” の副キャプテンは23歳の負けず嫌い(前編)中学生のころから将来の夢は『バスケのプロ選手』 より続く
連勝の立役者となった昨シーズンから連敗の苦しさと戦う今シーズン。「その両方を経験できていることは必ず自分のプラスになる」と寺嶋は言う。第14節を終えて7勝16敗(西地区8位)と、上位進出の道はまだまだ険しいが、12月19日、20日に東地区の強豪川崎ブレイブサンダースからもぎ取った2連勝はチームの自信につながった。「京都はここから!何事も最初からうまくいくより底から這いあがる方が絶対強くなれるはずです」── 新生京都の若き副キャプテンの言葉はどこまでもポジティブだ。
苦しいときこそリーダーシップを発揮できる選手になりたい
── 昨年の京都を振り返ると、13連敗中に寺嶋選手が加入してそこから7連勝とチームが一気に勢いづきました。『新星現る』と取り上げられたりもしましたが、寺嶋さん自身はどんな感想を持っていましたか?
いや、あれは出来過ぎです(笑)。実力以上のものが出てるなあと思っていました。(浜口)炎さんからはずっと「攻め気を持ってやれ」と言われていて、最初の三遠(ネオフェニックス)戦は1分ぐらいしか出てないんですが、次の名古屋(ダイヤモンドドルフィンズ)戦でただただ強気でゴールにアタックしていたら、それを評価してもらえてプレータイムが一気に増えました。僕のデータが少なくて相手に対策されなかったことも活躍できた要因の1つだと思っています。
── 先輩たちも温かく見守ってくれましたか?
はい、そりゃもう皆さん温かく見守ってくれました。去年のチームには東海大の先輩の内海慎吾さんや鶴田美勇士さん(山形ワイヴァンズ)、洛南の先輩の村上直さんが(引退)がいたことも心強かったですね。入ったばかりの自分が長いプレータイムをもらっても嫌な顔をする人はだれもいなくて、逆にみんなで盛り上げてくれたことがほんとにうれしかったです。おかげで自分はなにも考えずひたすらゴールに向かうことができました。
── 今シーズンの京都はヘッドコーチに小川伸也さんが就任され、主軸のジュリアン・マブンガ選手、ベテランシューターの岡田優介選手が移籍するなどメンバーも大幅に入れ替わりました。黒星先行の苦しい戦いが続いていますが、その中で自分が担う役割はどんなことだと思いますか?
去年の僕は出来上がっているチームに途中から加入して、周りに助けてもらいながらプレーしていたという感じでした。けど、今シーズンはいろんなことが様変わりしたチームを一から作っていかなければなりません。思えば高校でも大学でも入学したときは2年間、3年間チーム在籍してチームを作ってきた先輩たちがいて、チームの伝統だったり、特色だったり、戦い方だったりはすでに積み上げられているという感じでした。なので、いきなり一からチームを作っていく経験は初めてで、その難しさも感じています。だけど、同時に(選手として)すごくいい経験をさせてもらっているという気持ちもあります。副キャプテンとしてはまだなにもできてないんですが、これからはキャプテンの永吉(佑也)さんをサポートして少しでもチームの積み上げに貢献できるよう頑張っていきたいです。