「オータムカップ2020」2部トーナメント準々決勝のラストゲームがはじまろうとしたとき、見覚えのある顔に目が止まる。指導者になるために大学院に進んだことは知っていたが、その後のことは全くノーマークだった。昨シーズン限りで引退した元レバンガ北海道の松島良豪氏の姿を、母校である国士舘大学のベンチで発見。誰よりも元気に試合へ向けた準備を行っていた。
試合中、3Pシュートやバスケットカウントが決まれば、ベンチを飛び出して声援を送る姿は現役当時のままである。終盤に追い上げられる中、稲見紘平が3Pシュートを決める度に、誰よりも高く飛び上がって喜んでいた。コーチとしては、チームを指揮する小倉一訓監督の前に出て、作戦ボードにペンを走らせる。その熱さもまた、変わりない。2部の試合もバスケットLIVEで見ることができるので要チェックだ。
キャプテンの二村響は、「シュート練習時のパスの出し方など細かいところから常にゲームを意識する練習を毎日行っています。その成果が、この試合でも表すことができたと思っています」と松島コーチの存在により変化が見られている。何よりも、チームの雰囲気が明るくなった。
「松島コーチは『チームと仲間を大事にしよう』と常に言っています。チームメイトに良いプレーが出れば練習中から盛り上がり、時には厳しく言ってくれるコーチでもあり、その強弱のおかげでここまで来ることができました。松島コーチには本当に感謝しています」(二村)
偶然にも、国士舘大学でのデビュー戦に立ち会うことができた松島コーチに話を伺っていこう。
── デビュー戦を勝利で終えた感想を聞かせてください。
選手たちが本当にがんばってくれました!僕のコーチデビュー戦を勝利で飾らせていただいて、本当に選手たちには感謝しています。可能性のある選手たちばかりなので、本来持っている力を少しでも引き出してあげるサポートができたのかなと思います。何より、選手たちが気持ち良くプレーしていたことが一番良かったです。