新型コロナウイルスの影響を受け、3月27日、Bリーグは残り全試合の中止を発表した。この時点で施行されたB1の試合は41試合(最終試合は無観客で開催)、5勝36敗の三遠ネオフェニックスのリーグ最下位が決定した。勝率 .122。その数字が示すのは今シーズン苦しみ続けた三遠の姿だ。故障により開幕からしばらくプレーすることが叶わなかった鈴木達也は、コートの外からそれをどんな気持ちで見つめていたのか。ようやく立てた復帰戦のコートにどんな気持ちで挑んだのか。人一倍負けん気が強い司令塔だからこそ思い、悩み、考えた日々について語ってもらった。
コートの中から“不安”が伝わって来た
── 昨シーズンの4月に肩を脱臼して戦線離脱となりました。そのあとすぐ手術をしてリハビリに専念していらしたと思いますが、今シーズンの開幕に間に合わなかったのは、まだ万全ではなかったということですか?
いえ、肩の方はもう大丈夫だったんです。開幕に間に合わなかったのは腰痛のせいですね。
── 腰を痛めた?
痛めたというか、それに関しては原因とか、詳しいことははっきりわかっていないんですよ。お医者さんの方でもなかなかわからないらしくて。ただ痛みが続いていてコートに立てる状態ではなかったということです。
── これまでのキャリアの中でもこんなに長く戦線離脱したのは初めてですよね。
初めてです。1シーズン棒に振ったというのは初めての経験だったし、メンタル的にもかなりきつかったですね。
── 三遠は開幕から敗戦が続き非常に苦しいシーズンになりました。試合に出られないことでもどかしさも感じられたのではないですか?
そうですね。もどかしさもありましたし、責任を感じる部分もありました。プレーでチームを引っ張ることが叶わなくて申し訳ないという気持ちと早く復帰しなければならないという気持ち、その両方の気持ちがありました。
── 勝てない要因についてはどうでしょう。今、このチームには何が足りないとか、そういったことも考えましたか?
うーん、それはもちろん考えましたけど、何が足りないというより、むしろうまくいっていることの方が少ないなという感じでしたね。
── それをもう少し具体的に言うと?
これまでうちのチームはディフェンスを我慢強くやって、そこからオフェンスにつなげるというスタイルだったんですけど、今シーズンヘッドコーチが変わった(藤田弘輝HC→ブライアン・ロウサムHC)ことでバスケットがガラリと変わったんですね。ディフェンスからというよりオフェンスからやっていこうというような、そういう空気感がありました。