part2「夢が叶った瞬間」より続く
心地よく過ごしてプレーできる場所
プロになって4年目、「心地よく過ごしてプレーできる場所を探していた」ダニエル・オチェフは、新天地に日本を選んだ。「素晴らしい国であり、Bリーグは上り調子にあるという評判を聞いたんだ。これはもうトライしない手はないと思ったね」とやって来たのがB2の茨城ロボッツである。
「すごく良い環境でバスケができている。プレースタイルの違いや、新たなチームに入っていくためにいくつか適応しなければいけなかったが、今はもうしっくりきているよ。毎日成長していることが実感できている」
開幕から2ヶ月目を迎えた11月以降の12試合中、20点を超える試合が4試合を数え、得点とリバウンドでのダブルダブルは8回を記録する(12月22日現在)。オチェフ自身も上り調子にある。ビラノバ大学で優勝し、NBAでもワシントン・ウィザーズでプレーオフに出場した「レベルの高いチームでの経験があるからこそ、そのときに培ったメンタリティをロボッツにももたらせていきたい」とチームを引っ張るムードメーカーだ。メンタリティーとは「勝つために必要な習慣であったり、細かなこだわりであったり、そのプロセスを大事にし、勝つために必要なことを伝えていきたい」とオチェフは言う。
今シーズンの目指すべき場所について聞くと、「例えば、優勝することなど具体的なゴールを語ることは好きではない」という答えが返ってきた。それは、ビラノバ大学時代に学んだことでもあった。
優勝することは当然であり、現在B2にいる茨城にとってはB1昇格がゴールとなる。それを踏まえた上で「そこにこだわること、そのために何をすべきかが大事なんだ。今シーズンが終わったときに、自分たち自身がベストな状態だったと言えるように、まずはそこに対してこだわっていきたい。その中でハードワークを続けて行けば、まちがいなく最高の瞬間に向かう機会が巡ってくる。ビラノバのときも同じだった。ゴールが何かということよりも、そのゴールを達成するために何が必要なのかという部分にこだわっていた」という成功体験を茨城にも注入している。