12月9日(月)より「第71回全日本大学バスケットボール選手権大会」(以下インカレ)が開幕する。全国各地区リーグ戦でしのぎを削ってきた男女各32校が揃い、大学日本一を争う。
学生の大会と言えば、日本では高校バスケの方が注目度も集客も上を行くのが現状だ。これはバスケだけではなく、他の球技も同様である。インカレ後にはじまるウインターカップは、各メディアも早くから注目選手を紹介し、テレビ朝日では毎週土曜日に「熱冬高校バスケ」が絶賛放送中だ。
インカレは、そんなウインターカップで活躍してきた選手たちが牽引する大会である。また、高校時代は全国の舞台に立てなかった選手たちが大学バスケで成長し、存在感を示している。女子の有望な選手は高校卒業とともにWリーグへ進むケースがほとんどだが、男子は大学を経由する場合が圧倒的に多い。Bリーグにつながる大学バスケであり、その日本一を決めるインカレこそ、各クラブのファンには注目していただきたい。BリーグやWリーグ同様に、全試合バスケットLIVEで生中継される。
八村塁世代の4年生たち
4年前のウインターカップ2015は明成高校が3連覇を果たした。当時のベスト5メンバーを振り返ってみよう。チャンピオンチームから八村塁(ワシントン・ウィザーズ)と納見悠仁(青山学院大学)、準優勝の土浦日大高校から平岩玄(東海大学)と松脇圭志(日本大学)、そして8年ぶりに能代工業高校をベスト4へ導いた盛實海翔(専修大学)が選出された。海を渡った八村はNBA選手となったが、日本の大学バスケで4年間プレーしてきた4人もまた、チームのエースや大黒柱として活躍中だ。
関東大学リーグ2部から昇格し、インカレへの出場権を獲得した中央大学には、足立翔と三上侑希のチャンピオンメンバーが二人いる。能代工業高校時代は盛實(平均15.4点)よりも多い、平均20.2点を獲っていた拓殖大学の小室望海もまた、2部から勝ち上がって全国の舞台に戻って来る。
逆に言えば、ウインターカップのファイナリストたちでも、4年後も全国の舞台に立てる選手はこの程度しかいない。高校までは、バスケの楽しさを知ることが大切な時期であり、それで良い。本当の意味での基礎を身につけ、バスケIQを高めるのは大学やそのままプロに行ってからでも十分間に合う。日本代表の安藤周人(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)や、ウインターカップにこそ出場したが田中大貴(アルバルク東京)だって高校時代は無名だった。スタートラインはそれぞれであり、バスケを楽しんだものがプロとなって活躍している。