リオオリンピック銀メダル、U19ワールドカップはアメリカを倒して世界一
この原稿を書いている今、東京オリンピック開幕まであと248日。興奮の瞬間が刻一刻と迫ってきている。今夏は、その前哨戦となる男子日本代表が13年ぶりのワールドカップに出場し、世界との差を痛感した。逆に女子日本代表はアジア・オセアニア地区のオリンピックプレ予選で、WNBA選手を擁する世界2位のオーストラリアを相手に、見事に勝ち切った。目標に掲げている金メダルを狙える位置にいることを自ら証明し、期待は高まるばかりである。
東京オリンピックを間近に控えた今シーズンのBリーグに、初のオリンピックメダリストがやって来た。アルバルク東京に新加入したミラン・マチュワンは、セルビア代表として2016年リオオリンピックに出場した経歴の持ち主である。その時の戦績を振り返れば、予選ラウンドではアメリカに91-94、オーストラリア(80-95)やフランス(75-76)にも惜敗が続く。2勝3勝でグループA4位、全体8番目の勝率で辛くも決勝トーナメント進出を決めた。
「世界のベストな12チームが集まった大会であり、予選ラウンドはアメリカ、フランス、オーストラリアがいる厳しい戦いが続き、その後の決勝トーナメントも本当に苦しい道のりでした」
しかし、バスケットボールが国技である強豪セルビアは、後がないトーナメントに入ってから本領を発揮していく。準々決勝、クロアチアを相手に86-83で接戦を制すと、準決勝ではオーストラリアに87-61で勝利し、リベンジを果たす。決勝はアメリカと再戦。予選ラウンドはいずれも途中出場していたマチュワンだったが、決勝トーナメントの3試合は全てスタートで活躍する。
「アメリカとはオリンピックで2回、他の大会を含めて合計4回戦い、全て負けてきました。NBAのスーパースターを揃えたフルロスターで来られたら、勝つのは相当厳しく、やっぱりあの壁は高いです」