ヘッドコーチが変わったばかりの不安定なチーム状況であり、付け入る隙があったはずのライジング福岡に敗れた夜。石橋 貴俊ヘッドコーチはブースターに対し、その夜も頭を下げた。そして、今シーズン何度も聞いた「明日はもっともっとがんばります」。
新規参入したばかりであり、同じ東地区の青森ワッツはすでに12勝16敗。現在8位ながら1ゲーム差でプレイオフ争いに絡んでいる。西地区の新規チームであるバンビシャス奈良も9勝21敗、2桁勝利まであと一歩。後半がスタートした2月2日現在、3勝27敗の埼玉ブロンコスは、ぶっちぎりの最下位を独走中だ。
なぜ勝てない?ハンフリーに直撃!
“オリジナル6”と呼ばれるbjリーグ誕生時から参戦するチームの中で、唯一プレイオフへ進出していないブロンコス。あまりに弱く、勝てない理由を11月17日に行われた信州ブレイブウォリアーズに79-95で敗れた後、#35ジョン・ハンフリーに直撃した。
「言い訳はしたくないが、ケガ人が多いので彼らが帰ってくるのが大事だ」
もちろん機嫌は良くない。憮然とした表情のハンフリーに対し、選手やヘッドコーチがコロコロと変わることがチームとしてビルドアップできていない原因ではないか、とさらに攻め込んでみた。
「マイケル・ジョーダンが入っただけのブルズは勝てなかったし、ピースが揃わないことにはチームも上向かない」
良くも悪くもハンフリー次第のブロンコス。バスケットの基本として、ボールを持った時にまずゴールを見ることを教わる。しかしブロンコスの選手たちは、まずハンフリーを見てしまっていた前半戦。40点、50点獲れるだけの得点能力はあるが、1人だけが大量得点しても勝てないのがバスケット。歴史を紐解いてみれば、神様が証明している。
そして、ハンフリーはマイケルではない。そのことを彼自身も分かっていることを石橋HCが代弁する。「ハンフリー自身もチームのリーダーとして、チームでプレイして行こうと言っています。しかし、勝負がかかると興奮してしまう点も確かにあります」
2月1日(土)の福岡戦。外国人選手たちがケガから戻り、#23信平優希、#57原口真英らコートに立つ日本人選手もしっかりとゴールを狙い、得点を重ねる好スタートを切る。2Q途中、熱くなって1on1一辺倒になるハンフリーをベンチに下げ、そこから巻き返して33-36、3点ビハインドで終えた前半。しかし、良くも悪くもやっぱりハンフリー次第のチームなのである。
「でも、やっぱりハンフリー無しではこのチームの得点は伸びません。そこをどう共存していくかが、大きな課題でもあります。そこもなんとかクリアできるようにがんばります」