「スポーツで、日本一ワクワクする街へ。」を理念にべルテックス静岡が創設されたのは昨年の9月のこと。それから1年の準備期間を経て、今年の9月14日プロチームとしてのスタートを切る。記念すべき初戦をホーム(於静岡市中央体育館、対アイシン・エィ・ダブリュ・アレイオンズ安城)で迎えるとあって最後の準備に大わらわだ。「まだまだやるべきことはいっぱいですが、無事開幕戦が迎えられるよう選手、スタッフ一丸となって頑張っています。大変ですがやりがいを感じています」と、笑顔を見せる広報の網代夏奈さんにべルテックスのスタッフとして目指すチームの在り方を聞いた。
多くの人に『べルテックスがある生活』を送ってほしい
べルテックス静岡の前身となったのは社会人チームである静岡エスアカデミア・スポーツクラブであるが、このクラブの創設は昨年の4月。つまりそれからわずか5ヶ月後にプロチームが発足したわけで、そのスピードは異例と言っていいだろう。当然県内でも幅広くスタッフを募集。網代さんもその求人を見て応募した1人だ。静岡市出身の網代さんは高校卒業後東京の大学に進学し、そのまま雑誌やWEB媒体の編集の仕事をする会社に就職した。
「でも、そろそろ地元に帰りたいと退職して静岡に戻ってきたんです。バスケットは中学のときにやっていましたが、高校ではマネージャーでプレーはしていなかったし、大学からはバスケットとは全く縁のない生活をしていました。Bリーグ開幕後も風の噂で盛り上がってるのを知ったぐらいで(笑)」
静岡に帰ってきてからは職業訓練所に通いつつ再就職先を探していたが、ある日、目にしたべルテックスのスタッフ募集に「これだ!」と思ったという。以前の会社では芸能界を目指す若者と接する機会が多かった。「私だったらこの人の魅力をこう引き出したい。この人のこういうところをフォーカスしたらファンはもっと喜んでくれるのではないかということを常に考えていました。それを提案して、より多くの人に伝えられる仕事をしたいというのがあったんです」。業種は違えど、新設するバスケットのプロチームの魅力をたくさんの人に伝えるという意味では同じ。「まさに私が望んでいた仕事だと思いました」
とは言え実際業務に就けば、限られた予算の中でどうすればより印象強く、より効率的にチームの存在を伝えていけるのかと悩む日も少なくない。「現在はイベントやSNSを通したPR業務の他に、先月から始まったファンクラブの運営も任されることになりました。選手が参加するイベントやクリニックに足を運ぶと、『バスケットってこんなにスピード感があるスポーツなんですね。見ていておもしろいです。』と、お客さんから声をかけていただくこともありそれがモチベーションにもなります」。