part2より続く
“ブレイブレッド”の血が流れるフランチャイズプレーヤー
今シーズン新たに加わる選手以外は『川崎ブレイブサンダース一筋』であり、離職率ならぬ離クラブ率がBリーグの中で最も低い。9年目の篠山竜青を筆頭に、辻直人、ニック・ファジーカス、長谷川技の同期3人組は8年目、鎌田裕也が7年目、藤井祐眞も6年目と続く。北卓也GMに至っては25年目、川崎一筋で四半世紀を迎える。
「やはり素晴らしい環境を提供していただいており、そこは選手たちも一番分かっているところです。一番にバスケが上手くなれる環境があり、これまでは企業チームとして東芝の社員だった流れもあると思います。プロになった今は、『川崎で引退したい』という思いのある選手をたくさん作っていきたいです」
ヘッドコーチからGMへ、新たなポジションになっても「川崎の力になりたい」という思いは選手時代から変わらない。ユースやスクールとの連携を強化していく方針もあり、「U12からトップまでずっと川崎一筋でプレーするような選手が出てくれば、さらに強力なフランチャイズプレーヤーになります」と“ブレイブレッド”の血が流れる選手の創出を目指す。「僕もそうでしたが、チーム一筋の選手がいることでファンの皆さんの声援も一層熱いものになると思います。もちろん、良い選手を他から集めたいと思ってはいますが、フランチャイズプレーヤーに重点を置きたいです」というのも自身の経験によるところが大きい。
「今まで24年間、ベンチやコート内からしか自分のチームの試合を見たことがないんです」という北GMには、ある願望があった。「昨シーズンは飛躍的にホームへ足を運んでくださった方々が増えましたので、ハーフタイムにどんなことをしているのかを実際に見てみたいです。これまでは(ロッカールームに戻っていたので)映像でしか見たことがない。どういうところがまた来たいと思わせる仕掛けなのかなど、今まで見られなかったいろんな部分を見たいです」とコート外での体感を楽しみにしている。
現在放映中のドラマ「ノーサイド・ゲーム」はラグビー部のGMが主人公だ。「普段はあまりドラマを見ることはない」という北GMだが、企業チーム時代の経験をなぞりながらハマっていた。