NBDLは9チーム中3チーム(黒田電気、アイシンAW、大塚商会)が日本人選手だけでリーグ戦を戦っている。最大オンザコート2の外国人選手を起用できるNBDLにおいて、そのギャップに立ち向かいながら挑んでいる。中でも好成績を見せているのがアイシンAWアレイオンズ安城であり、1月26日現在3位(13勝7敗)。オールジャパンにも出場した。日本人選手だけだからと言って勝てないわけではないことを証明している。
外国人選手がいない以上、日本人の特長を生かして勝たねばならない。この週末、東芝ブレイブサンダース神奈川からレンタル移籍中のファイ・サンバがいる東京海上日動ビッグブルーに2連勝した大塚商会アルファーズ。195cmしかないビッグマンたちがインサイドを固め、リバウンドを奪う。20試合を終え、チームリバウンドは平均39.7本、9チーム中4位。負け試合でもリバウンド数が上回る傾向があり、連勝した週末は2試合とも50本を越えていた(1月25日:52本、1月26日:59本)。
「得点を獲る選手にしっかりスクリーンをかけてノーマークを作るとか、リバウンドは戦場なので一人が体を張ってがんばっていたら、他の選手がそのこぼれ球に対ししっかりルーズボールへ行こうとか、外国人がいてもいなくても共通してできるプレイがあると思っています」
そう話すのは、大塚商会の青野 和人ヘッドコーチ。bjリーグ埼玉、京都でのアシスタントコーチを経て、2010-2011には京都でヘッドコーチに就任。その後、リンク栃木ブレックスで再びアシスタントコーチとして2シーズンを過ごし、今シーズンより大塚商会で指揮を執る。外国人ばかりのbjリーグやJBLを経験して来た青野HCにとって、日本人選手だけのチームでNBDLを戦うことは、チャレンジでもある。
大事なのはチーム力と試合までの準備期間
「これまで10人中5人が外国人のチームであったり、クオリティの高い日本人に合わせてプレイできる外国人がいたり、いろんな経験をしてきました。その中で共通して言えることは、試合の場に立つまでに準備する過程の表れが結果につながること。大敗した時は、気持ちを入れてがんばれなかったというよりも、それぞれ準備が足りなかったことの方が多かったです。外国人がいるとかいない以前に、スクリーンをしっかりかけて相手のズレを作ったり、相手の弱点をどれだけ把握できて試合に臨めているかが勝敗に関わってきます。他のチームでアシスタントコーチやヘッドコーチを務めていた時も感じていましたが、選手が意固地になり、個人プレイで決まったシュートは絶対に次につながりません」
これまで培った様々な経験を生かしながら、チーム全員でスクリーンをかけてノーマークを作り、リバウンドも全員で飛び込むことを徹底させている。日本人だけで勝つには個の力ではなく、チーム力が大事。大塚商会はベンチでは全員が盛り上がり、コート内でも選手たちがよくしゃべる印象を受けた。
「開幕の頃に比べるとそれはものすごく増えましたね。やれ、と言うとやらないのですが、自発的に出た意見を反映できるようになっています。特に先週から今週にかけて(森野 耕輔)キャプテンを中心にどんどん動いており、たぶん試合前に気疲れした部分もあるとは思いますが、それも全員でカバーしながら試合してきた結果がこの勝利につながったと思います。こういう試合もないとやりきれないですからね」