※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2017年4月末発行vol.8からの転載
高校卒業後、MLBカンザスシティロイヤルズにドラフトされるほど将来有望なピッチャーだった。当時、「最高で97マイル(156km)を出したことがある」と言うからさらに驚かされる。5年間のマイナー暮らしの末に肩を壊し、バスケットに専念することとなり、今のアイラ・ブラウンがある。
「ピッチャーは下半身がすごく大切です。野球で鍛えられた下半身は今でも役立っています」と、野球からバスケットに転向したメリットを挙げた。コントロールが重視されるピッチャー経験がシュートの正確性につながっているのではないか? そんな愚問を投げると「それは全く別物」と大笑い。しかし、メンタルコントロールは今でも生かされる部分があった。
「ピッチャーだったときは毎回自信を持って投げないといけないですし、それがコントロール良く投げることにもつながる大きな要素でした。バスケットも同じで、3Pシュートだけではなく、どのシュートでも自信を持ってプレーすることは野球から学びました」
プロとなった現在、参考にしているのは「NBAの中で最も効率良く3Pシュートを使うチーム」のゴールデンステートウォリアーズ。理想の3Pシューターとして挙げたクレイ・トンプソンのプレーを解説してもらおう。
「さほどジャンプ力が高いわけではないですが、フォームに無駄がなくスムーズにシュートが打てる選手です。彼のシュートやプレーを見れば分かるとおり、ボールをもらってから打つまで、考えずにシュートを打てているのがすごい。きっと普段の練習から試合を想定して取り組んでいるからこそ、どんな状況でも躊躇なく打てているのだと思います。彼のシュートもそうですが、そこに至るまでの過程もすごく参考にしています」