いよいよ9月28日(金)からWJBLの新シーズンが開幕する。開幕に先駆けてWJBL公式サイトがリニューアルされてとても見やすくなり、これまで通り過去のアーカイブもしっかりしている。いろいろと眺めていたら開幕ムードは高まってきたゾ!
五輪世界最終予選出場メンバーの成長を確認
ちょうど3ヶ月前の今頃、トルコの地でロンドンオリンピック世界最終予選を戦っていた女子日本代表選手たち。残念ながら最後の一枠を争ったカナダに敗れて悔し涙に暮れたわけだが、小さいながらも一生懸命に戦う姿は感動も与えたはずだ。あの熱い戦いを思い出し、今度は直接会場で選手たちに声援を送り、女子バスケ国内唯一のリーグであるWJBLを盛り上げたい。
日本代表の大神雄子キャプテン(JX)はロンドンオリンピック世界最終予選の時、昨シーズン中に故障していた足を無理矢理治して強行出場した。その結果、シーズン開幕には間に合わなかったが順調に回復しているようだ。大神選手がいない分、PGとして出場する吉田亜沙美選手が水を得た魚のごとく、スタートダッシュしそうな予感もする。渡嘉敷来夢選手もケガから復調しており、何よりもロンドンオリンピック世界最終予選で活躍した間宮佑佳選手はWJBLでは楽にプレイできてしまうのではないかと、期待と不安が入り交じる。
開幕戦のカードは、昨シーズンのファイナルと同じJX vs トヨタ自動車。昨シーズンも女王の座を持って行かれたトヨタ自動車にとっては、開幕戦からリベンジしたいところ。ヘッドコーチが代わり新体制で迎える両チーム。日本代表として久しぶりにオフシーズンを充実させた矢野良子選手、そして久手堅笑美選手はもちろん、最後にメンバーから外れた190cmの天津 希選手と爆発的なシュート力を持つ川原 麻耶選手の成長にも大いに期待したい。
世界で実績を残したルーキーたち
黄金世代とも言うべき大物揃いのルーキーもまた、今シーズンの大きな見どころである。一昨年前、U-17女子バスケットボール世界選手権において、世界5位となったメンバーがこぞってWJBL入りした。
- 池谷 悠希(富士学苑高校→三菱電機)
- 大沼 美琴(山形市立商業高校→JX)
- 三好 南穂(桜花学園高校→シャンソン)
- 近平 奈緒子(聖カタリナ女子高校→シャンソン)
- 長岡 萌映子(札幌山の手高校→富士通)
- 宮澤 夕貴(金沢総合高校→JX)
中でも昨年は女子日本代表メンバーに名を連ねた長岡 萌映子選手に期待が高まる。ぜひとも新人王を飛び越して、得点王やMVPを狙ってもらいたい。宮澤選手、近平選手、三好選手は、長岡選手とともに昨年のユースオリンピックでは、3on3ルールながらもスペインを破り、そしてアメリカが辞退したことで3位決定戦は不戦勝で勝ち上がって銅メダルを獲得。若くして国際経験豊富であり、しっかりと結果を残してきたルーキーたちには、臆することなく暴れて欲しい。
1年目からチームを引っ張れ大卒ルーキー
大卒ルーキーもまたタレント揃いであり、ルーキーシーズンからの活躍を切に願う。毎年のように大学バスケで先頭を走ってきた選手たちがWJBLに入るも、高校生に比べてチームの中心として活躍できる選手が少ない印象を受ける。WJBLにおいて、大学は遠回りなのではないかとさえ思ってしまう。そんな印象を払拭してもらうためにも今年の大卒ルーキーに期待したい。
日立ハイテクに入団した池内選手、天野選手はともに180cmとサイズもあり、3Pシュートも打てる逸材。デンソーには、引退した小畑選手の代わりに新たなる司令塔として期待される田中選手。攻撃力が高く、気持ちも強い選手であり、デンソーのエース髙田真希選手とも同い年ということもあり、1年目からチームを引っ張っていける存在になれるはずだ。
- 栗原 三佳(大阪人間科学大→トヨタ自動車)
- 田中 友美(大阪人間科学大→デンソー)
- 園田 奈緒(愛知学泉大→デンソー)
- 佐藤 梓(拓殖大→三菱電機)
- 池内 侑里(拓殖大→日立ハイテク)
- 天野 佳代子(筑波大→日立ハイテク)
往年のJBL(旧日本リーグ)選手が指揮するWJBL
「男子しかバスケは見ない」というバスケファンにとっても、今年のWJBLは楽しめる。日本人初プロバスケットボール選手としてその名を馳せた外山 英明氏が、エバラのヘッドコーチとして現場に復帰した。ここ数年、bjリーグのチームでHCをするのではないか、という噂もあったが、予想だにしない女子チームを率いることになった。また、その外山HCとは熊谷組時代に同じ釜の飯を食った後藤 敏博氏が、チョン・ヘイル ヘッドコーチの後任としてアシスタントコーチから昇格し、采配をふるう。それ以外にも日本リーグ(現JBL)で活躍した往年の選手たちがヘッドコーチとして活躍しており、懐かしく思う方も多いことだろう。もちろんWJBL OGである富士通の藪内 夏美HC、アイシンAWの山田 かがりHCもおり、世代を越えて楽しむことができる。
今シーズンよりWJBLは12チームによる1リーグ制になった。昨シーズンまでのWリーグ上位チームとW1リーグに属していたチームとの試合は、有料で見せられるようなゲームになるのか……不安は大きいが、恐いもの見たさもフツフツと芽生える今日この頃。この1リーグ制という英断が吉と出るか凶と出るか?世界と対等に渡り合える選手たちが、しっかりと成長できるリーグとなり、ファンが増えることを願って止まない。
女子バスケの最高峰リーグWJBLは9月28日(金)より開幕を迎える。
2012-13 Wリーグ レギュラーシーズン開幕戦
- トヨタ自動車 vs JX
9月28日(金) 19:00 国立代々木競技場 第2体育館
9月29日(土) 14:00 国立代々木競技場 第2体育館 - 三菱電機 vs アイシンAW
9月28日(金) 19:00 パークアリーナ小牧
9月29日(土) 15:00 パークアリーナ小牧 - 日立ハイテク vs トヨタ紡織
9月29日(土) 14:00 ひたちなか市総合運動公園総合体育館
9月30日(日) 13:00 茨城県立スポーツセンター - エバラ vs 山梨
9月29日(土) 14:00 富士吉田市営鐘山スポーツセンター総合体育館
9月30日(日) 14:00 山梨市民総合体育館 - デンソー vs 富士通
9月29日(土) 18:00 恵庭市総合体育館
9月30日(日) 14:00 恵庭市総合体育館 - 新潟 vs シャンソン
9月29日(土) 18:00 神林総合体育館
9月30日(日) 14:00 神林総合体育館
text by IZUMI