part1より続く
プロとしてファンを楽しませる
2018年11月16日、つまりシーホース三河の入団発表があった翌日、岡田侑大は名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦でB.LEAGUEデビューを飾った。2分14秒の出場で2得点、1ターンオーバー。スコアリング能力に自信のある本人としては不満かもしれないが、デビュー戦であることを考えると悪くないスタートだ。
「入団前は、平日開催の試合もあるなどスケジュールが詰まっているので体力的にきついかなと思っていたんです。でも入ってみるとそんなにきつくないなと。水曜日に試合があっても、移動があっても、疲れが溜まっていないので楽しいなって感じです」
若さゆえか、それとも純粋にB.LEAGUEでプレーすることを楽しめているのか。どちらにせよ岡田は今、自身が求めていた高いレベルでの試合の連続に充実感を覚えている。
「ファンのみなさんの前でプレーできるっていうのは結構モチベーションになるんですよね。大学だと見に来る人が少ないので、楽しくないとは言わないまでも、モチベーションがあまり上がらなかったんです。でも三河に入ると見に来てくれる人もたくさんいて、栃木や千葉でやったときはアウェーだったけどたくさんの方が応援に来てくれていたので、いい雰囲気で楽しかったです」
普段はあまり目立ちたくないタイプだという。「輪の中心にはいたいけど、目立ちたくはない」と。しかしバスケットとなれば話は別だ。特にプロの世界では注目されなければいけない。「バスケットをやっているときは一番目立つ選手になりたいんです」と岡田は言う。
「僕がプロとして一番大切にするのはファンです。大学と違うところはファンが見に来てくださって、初めてビジネスになるというか、僕たちは給料をもらえるわけです。ファンが見ていておもしろくない試合というのは、僕自身もあまり好きじゃなくて、ファンを楽しませる選手だからこそプロなのかなと思いますね」
デビュー戦の名古屋D戦で岡田はすでにそのことに気が付いたという。同時に映像などで見るNBA選手たちのファンサービスのすばらしさを改めて感じた。試合で履いていたシューズをいとも簡単に差し出したりするのはそういうことなのか。NBAだけではない。三河の外国籍選手のファンサービスを見ても、シューズを差し出すことはないにせよ、同じような意識を感じる。岡田自身は「まだまだ完璧にはできていない」が、すでにそうしたことへのあこがれや意識を持ち始めている。