※本記事は2018年12月発行、バスケットボールスピリッツvol.28からの転載
これだけは言っておきたいことは?
山上 ここまでいろんなご意見が出ましたが、ここで「これだけは言っておきたい」というようなことがあればぜひ!
マーク 僕は日本人選手の中にもっとビッグマウスが欲しいですね。前の話にも出ましたが、サッカーで言えば本田圭佑みたいな。ビッグマウスの選手は叩かれることもあるし、一見反感を買うように思われがちですが、その実結構人気があるんですよ。もちろん大口を叩く裏には実力が必要ですけど、日本のバスケ界にも本田タイプの選手が出てきたら注目を集めるのは間違いないです。
平 代表クラスでそういったビッグマウスが出てくるとおもしろいですよね。たとえば今日のカザフスタン戦を前に感想を聞かれたら「まあ、全然負ける気はしないッス」とボソッと言うとか(笑)
丸山 いいですね、それ(笑)
入江 勝手な言い草だと思われるかもしれませんが、やっぱりスポーツの世界でも優等生ばかりじゃつまんないですよね。スターが優等生である必要はないし、逆にヒール的なスターが出てくることで正統派スターが輝くこともある。マイケル・ジョーダンは誰もが認めるスーパースターでしたが、その陰にいたロッドマンもまたスターだったじゃないですか。
秋元 ヒールとして輝くためには中途半端じゃだめですよね。逆に圧倒的な実力が必要になると思います。そのヒールをNBAで考えると、個人ではなく1つのチームがヒールになるっていうか、強すぎて憎らしいみたいな、そういうのがあってもおもしろいですよね。
マーク おもしろい!4連覇くらいして、シーズンもほぼ全勝で終えて、あんまり強すぎてつまらないと言われ、逆にめちゃくちゃ嫌われちゃうわけです。Bリーグでも50点差くらいつけて連勝するチームが現れて、インタビューしても選手がちょっとエラそうな口をきくようになる。そうなればヒールとして最高ですね(笑)
平 まあ仮にBリーグにそういうチームが現れたとしても、選手たちがエラそうな口をきくとは思えないけどね(笑)。そうなるとヒールというより、単純に『歴史に残るものすごく強いチーム』になっちゃう。
丸山 どんだけ強くても試合前には決まって「自分たちはチャレンジャーですから」みたいなこと言いますもんね。ここでもまたチャレンジャーかよ、たまには「勝って当然です」みたいなことを言ってくれよと思うことはありますね。正直(笑)
入江 さっきも言ったけど、リーグとかクラブに「エラそうことを言わせない」空気があるのかなあ。それとも選手がまだ若いのかなあ。昔、アイシン(現シーホース三河)が4連覇したときは選手の年齢層が高かったせいか、ちょっとヒール的な雰囲気もありましたけどね。中でも外山(英明)選手なんかはルックスからして派手で毒も吐くし、一見軽くてチャランポランに見えたけど、コートに出たらきっちり自分の仕事をこなすみたいないい意味でのギャップがある選手でした。今思えばヒールのイメージに近かったのかなあと思います。