「JBL経験がある選手はキャプテンの中川(和之)選手だけ。あとのみんなは初めてトップリーグでプレイする選手ばかりです。NBLでは高校から全国の舞台で活躍してきている選手ばかりの中に、僕も含めて関東大会にも出られないような選手ばかりのチームです」
つくばロボッツのチーム事情を紹介してくれたのは#9田中大地。練馬高校〜東京成徳大学出身、学生時代は全国大会とは無縁の選手。東京成徳大学も関東3部から2部に昇格させたが、卒業時には再び3部に降格。インカレ出場経験もない。
しかし、NBLの舞台に立てば過去の経歴は一切関係ない。田中とともに先発を務める#20河相 智志は思い切り良くゴールを狙い、これまで平均13.1得点。オンザコート1の時間帯に登場する#19中村友也はNBLオールスターゲームへの出場を決めた。対戦した三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋の選手たちも、「元JBLチームを倒せば、彼らにとっても成長や自信につながるので、そういう意味では相手はガムシャラに来ますし、僕たちも負けられない」と気を引き締めて迎え撃つ。
経歴や身長こそ見劣りはするが、ウォームアップ時にはどんどんダンクを決める身体能力の高さがあるつくば。185cmの田中も学生時代からダンクには定評がある。
Fのマッチアップは田中(185cm)×ウンバイ(206cm)
“仲間を信じ、チーム力で闘う”とは、つくばの今シーズンのスローガンだ。現状は実戦経験を積みながら、チーム全員で勝利を目指し、ガムシャラにコートの中で戦っていた。チーム名でもあるつくば市で初開催となった11月14日-15日の平日に行われたホームゲーム。三菱電機名古屋と対戦し、2連敗を喫したつくばはファンの前で勝利を飾ることはできなかった。
この試合、田中は身長差21cmある206cmのアマット・ウンバイをマーク。
「アメリカでもPFができるくらいのサイズがありながら、能力が高く、スピードもあり、さらにボールハンドリング良くボール運びもできます。そこで自由にやらせてしまうとリズムに乗り、手がつけられなくなってしまうから、なるべくボールを持たせないようにディナイしてがんばれという指示でした。やっぱりどうしてもミスマッチをつかれて、上からパスを通されてしまいました。横の幅でがんばっていても、どうしても上から打たれてしまったのは反省点です。明日は簡単にボールを持たせないようにもっとハードにディフェンスをしていきたいです」
ウンバイに24点を与えた初戦を終えた後のコメントだったが、翌日も23点を奪われる。ダンテ・ヒルHCにディフェンスを買われ、これまで16試合全てにおいて先発出場を果たす田中。身長差があるとはいえ、悔しい結果に終わった。
「ディフェンスではしっかり声を出してチームを引っ張っていきたい気持ちは強いです。チームとしては、スタメン5人が2桁獲れるようなオフェンス面でのレベルアップが必要です。今はまだムラがあり、オレが15点獲ったら他の選手が2点しか獲れないこともあれば、オレが2点で他の選手が20点を獲るような試合が続いています。常に5人全員が2桁得点を挙げることができ、リバウンドもセンター陣だけに頼らずみんなで獲れるようにし、チームとしてバランス良く誰もが何でもできるようになれば、もっと強くなると思っています」