立川立飛で行われた、A東京vs京都のGame2。
京都は本当によく闘っていた。
エナジーを出してハッスルをし、A東京に勝利すべくコートに立った選手全員が全力でプレーしていた。
筆者が言及した伊藤にいたっては、日本人選手の中でも獅子奮迅というに値するプレーで京都を引っぱり、点数差以上にゲームを緊張感のあるものにしていたほどだ。
だが、それでもやはり、体力には限界がある。
チームへの忠誠心やファンへの献身、そしてプロとしてのプライドで、連戦で消耗しきった身体にむち打って普段からは考えられない力を発揮できたとして、それでも、また全力でぶつかってくる相手に対してそれを上回ることは全く容易ではないのだ。
もちろん試合の結果が体力だけの問題ではないのは明らかだ。
だが、やはりその時その時の体力には限界があり、それを補うのが戦略であり戦術というものだろう。
怪我明けで調子が万全とは思われない篠山に代わり、スターターを務めた藤井の活躍もあり、川崎はGame2に勝利する。
藤井はプレータイム30分30秒、13得点で勝利に貢献した。
ハイライトは第3Qの終わり。千葉の富樫が川崎の栗原との接触でファンブルしたボールを藤井がスティール、自陣からシュートを放ち、見事にブザービータースリーを決めてみせた。
このシュートでリードを9点とした川崎は、この点差を守りきりGame2に勝利、シリーズの決着はGame3に持ち越されることとなった。
相手の出方に対して「修正する時間もない」(千葉・大野HC)ほどあっという間に決着がつく。
結果的には千葉のいいところばかりが出て、逆に川崎は自分たちの強みを出せずに終わってしまった印象のゲームだった。
Game2では不調だった富樫の活躍もあり、千葉がGame3に勝利し、セミファイナルにコマを進めている。
Game2で選手のプレータイムを分散させられなかったこと、それができていればGame3は違った結果になったかもしれないこと、そしてそれは自身のミスであり責任は自分にあるということである。
川崎はGame3のスタートにも藤井を起用したが、Game2でもコートを所狭しと走り回っていた藤井のプレーは、やはりキレを失っているように見えた。
Game1を落としながら、Game2をとりGame3に持ち込んだ川崎の全力のプレーに、アウェーまで観戦に来て精一杯の声援を送っていたブースターは胸を熱くしたに違いない。
NBL時代を知る筆者は、川崎ファンの熱さと一体感に、正直に言って驚かされた。
そしてこの敗戦で、川崎にとっては、東芝の社名をジャージに負ってたたかう最後のシーズンが終わった。
「ホームでなければ勝てなかった」と大野HCに言わしめたハイボルテージな声援が、このゲームでも遺憾なく発揮されていたことは言うまでもない。
シリーズに勝利した千葉には、セミファイナルで琉球との対戦が待っているが、ホームの声援が再び選手の後押しをしてくれるはずだ。