22日に行われた、FIBA W杯 アジア地区予選 window2。
文字通り”絶対に負けられない戦い”が、横浜国際プールで繰り広げられた。
当日は立ち見も出る超満員。5021人の声がアリーナを揺らし、大きなパワーとなって選手を後押しする。
日本を、さらには日本バスケットボールの未来を背負った代表選手たちの心模様を、写真で振り返る。
フォトグラファーあとがき
どの選手の瞳もとても力強く、勝ちに向かうエネルギーに溢れているように感じました。この日、3Pシュート8本を含む、ゲームハイの26得点を記録した辻直人選手をはじめ、試合の流れを変えるような力強いダンク、そしてブロックを要所で魅せてくれたアイラ・ブラウン選手、コート内で常にチームメイトに声をかけ続ける姿が印象的だった宇都直輝選手、倒されても倒されても、ペイントエリアに果敢に攻め込む比江島慎選手。
全員が、”必死”でした。
それは、本当に本当に、”もう負けられない”から。
彼らが、誰よりも1番理解していること。
集中力を少しでも切らせてしまえば、すぐにそこをすくわれる。
試合開始前から試合終了のブザーが鳴るまで、どちらが集中し続けるか、どちらの足がより動くのか、そして、”チーム”で戦い続けられるのか。
70−69
1点差でも、負けは負け。
なにか、どこかが、相手より劣った結果。それが、負けるということ。
“全てが劣っていた”とは全く思いませんが、日本チームが成長していくのと同じく、世界各国のチームが日々成長しています。もっとスピード感をもって、彼らを追い越していかないといけない。
本当にたくさんのものを自ら背負って戦う彼らはどう見たってカッコよくて、負け続けていようがなんだろうが、日本バスケットボール界のヒーローたちに違いありません。
負けたなら、改善すればいい。
悔しいなら、次勝てばいい。
人間だもの、強靭な精神力を持っていたって、くじけそうになる時はあるかもしれない。弱気が出ることだってあるかもしれない。
そんな瞬間を埋めて、さらに上へと引っ張るのが、”応援”の力だと思うんです。
アリーナに響くニッポンコール。時間が経つにつれ枯れてくるはずの声が、ピリオド毎にどんどん大きくなるのはなんでなんだろう。とどろきアリーナで聞いたことのある音の取り方、三河ファンお馴染みの、フリースローの掛け声。
それらは、Bリーグ各チームのファンから成る、応援の”ナショナルチーム”によるもの。選手が、どれだけ心強かったことでしょう。
試合後の記者会見でラマスHCがこう言いました。
「誰がコートに立とうと、私は全員を信じている」
と。
その一言に、心が熱くなりました。
「選手たち以上に、選手を信じよう。」
そのことが、日本代表に大きな力を与える手助けになる。そう確信しています。
叶うなら早く、彼らの喜ぶ姿が見たいです。
辻選手が3Pを決めた時のベンチのような。あの顔がたくさん見たい。
目頭を押さえ必死に前を向こうとする辻選手の、明るい声が聞きたい。
日本代表の挑戦は、始まったばかりです。
1人1人のバスケファンのパワーを、日本代表チームへ。
文・写真 安井麻実