FIBAアジアカップ2017の最終日。日本に残された試合は決勝戦のみ。相手は予選ラウンドで敗れているオーストラリア。それぞれが秘めた思いを胸に、チーム1つになって戦う。
今大会で復帰後、ケガ明けとは思えない安定した力を出し続けた高田真希。9得点・8リバウンドも、今日はファウルトラブルに苦しんだ。
スコアラーとしての力を存分に発揮した長岡萌映子。今日は3ポイントシュート1本を含む10得点に終わったが、要所でリバウンドを獲るなど、オールラウンドな活躍をした。
高さで劣る日本はオーストラリアのビックマン、195センチのMarianna TOLOに対して、タイミングのよい寄せでその攻撃を封じた。
在留邦人の方々が連日応援にかけつけていた。また日本から応援にかけつけてくれた方もいて、インドにいながらホームでプレイするような雰囲気が、チームを優勝に押し上げた。
昨日まで高いエネルギーでチームをけん引していた藤岡麻菜美だったが、連日の疲労と、オーストラリアが警戒を強めていたこともあり、思ったようなプレイができなかった。
4分27秒のプレイタイムだったが、出場早々に3ポイントシュートを狙い、ファウルをもらった馬瓜エブリン。彼女を筆頭に途中出場の選手がよくつなぎ、フリースローを高い確率(13/14)で決めたことも勝因の1つ。
沸きに沸くベンチ。その理由は……
水島沙紀の3ポイントシュートが止まらなかったため。初戦で苦しみ、2戦目以降、出場機会の減った水島だったが、決勝ラウンドで見事なカムバック。今日は9本中7本の3ポイントシュートを沈め、26得点をあげた。
水島とともに殊勲の選手を挙げるとすれば町田瑠唯だろう。疲労とマークの厳しさに苦しんだ藤岡麻菜美を、リオ五輪の経験者が見事なバックアップ。相手のビッグマンに対しても怯まずアタックした。
74-73でオーストラリアに勝利し、アジアカップ(前アジア選手権)3連覇を達成! 若手がチームに勢いを与え、ベテランは苦しみながらも我慢の姿勢を貫くことで、チームが1つになれた。
これが日本のスタイル。試合後、円陣を組み、掛け声をかけたあと、応援してくれた会場すべてのファンに、感謝の意を込めて深々とお礼をする
文・写真 三上 太