来週5月19日(金)より、日本学生選抜チームと韓国学生選抜チームが対戦する定期戦「第40回李相佰盃日韓学生バスケットボール競技大会」が、大田区総合体育館で開幕する。
「第66回関東大学バスケットボール選手権大会(以下トーナメント)」前に行われた合宿中、13名の候補選手の中で一番小さな172cmの齋藤拓実選手が、積極的にペイント内に攻め込み、ゴールを奪う姿に目を奪われた。トーナメントでは準々決勝進出を懸けた試合で、準優勝となった白鷗大学に70-73で惜しくも敗退。しかし、齊藤選手はその試合で26点を挙げている。Bリーグでも、小さなポイントガードが得点を獲るケースが増えているのと同じように、スピードや緩急を使ってディフェンスをかき乱すポイントガードに注目したい。
ーー練習中、陸川(章)ヘッドコーチに率先して質問していましたが何を聞いていたのですか?
合宿がない間はそれぞれ所属チームに戻って練習や試合をしており、選抜チームでの役割やルールはそれぞれ変わってきます。そこはメリハリをつけてやらなければいけません。これまで練習してきたことで自分が覚えている限りのことは、陸さんに質問するだけではなく、チームのみんなにもう一回思い出してもらいたいとも思っていました。
ーー3月に行われた韓国遠征の前には、ルカ・パヴィチェヴィッチテクニカルアドバイザーの下で合宿をされていましたが、その成果をどう感じられましたか?
ルカから習った3週間の練習内容はすごく細かいと感じていました。それが実際にゲームをしてみたら、習ったことの全てがつながっていました。相手がこういうディフェンスをしてきたら、こう対応した方が良いとか、このオフェンスに対してはこのディフェンスをするなどルールが明確であり、その中で細かく教えてくれたことが本当に全てがつながっていたんです。韓国遠征は5試合全て違うチームと対戦し、それぞれチームカラーが違いました。最初は相手がプロ(※KBL育成リーグのチームと対戦)ということで戸惑いもありましたが、どの試合もしっかりアジャストして、習ってきたバスケットを出すことができました。その部分は良かったかなと思います。
ーー練習中はアグレッシブに攻めていましたが、韓国遠征でのオフェンスはどうでしたか?
自分はみんなに比べてサイズはすごく小さいですし、韓国での対戦相手も自分より大きい選手ばかりでした。スピードや緩急をうまく使って、相手のディフェンスをかき乱すことはできたかなと思います。
ーー小さくても点を獲りに行くために取り組んでいることはありますか?
まず、外のシュートが入らないとドライブも生きてこないと感じています。外があれば、もっとドライブもしやすくなると思いますし、ドライブしてからの判断が一番大事だとも感じています。自分のマークマンを抜いてもさらに大きな選手がヘルプに来るので、そこでどういうシュートやパス、どこを見て相手が止めに来ているかなどをしっかり把握して、次の判断をすることがやっぱり一番大事かなと思います。そこに関してはまだまだであり、ドライブしてターンオーバーしてしまっては良くないので、その部分の判断の質を上げていきたいです。
ーー先日、富樫(勇樹)選手(千葉ジェッツ)に取材した際、アイザイア・トーマス(NBAボストン・セルティックス)のプレーを参考にしていると言っていました。
自分もアイザイア・トーマスのプレーを参考にしています。ドライブで抜いた後、ディフェンスを寄せ付けないために、あえてスピードを抜くというのは小さい選手ならではの技術だと感じています。抜いた後にあえてスピードを落とすことで体が接触する分、相手も飛びづらくなると思います。相手にぶつかりながら飛んでフィニッシュを決めるという部分では、相手もそのまま追いかけてきているところでスピードを落とせばファウルをもらいやすいのかなと思っています。
ーー日本で開催される李相佰盃へ向けた意気込みを!
韓国遠征がみんなの自信につながったとは思います。でも、それが過信にならないように注意しなければなりません。韓国のプロに勝ったから学生にも勝てるだろうというメンタルで試合に臨んでしまったら、絶対に勝てないと思います。韓国遠征は「プロに勝つぞ」というチャレンジャー精神で臨めたのが、良い結果につながりました。また、練習でやってきたことをうまく出せたことも勝利につながったと思っています。学生が相手でも同じ姿勢で臨み、練習の成果を出せれば絶対に勝てると思っています。関東トーナメント後にまた合宿がありますが、もう一度日本が目指すべきバスケットを追求して、質を高めていけるようにしたいです。
第40回李相佰盃日韓学生バスケットボール競技大会
会場:大田区総合体育館
5月19日(金) 16:00 女子戦/18:00 男子戦
5月20日(土) 13:00 女子戦/15:00 男子戦
5月21日(日) 13:00 女子戦/15:00 男子戦
文・写真 泉 誠一