タイトルは3月1日(土)に開催された「SOMECITY 2013-2014 SEASON THE FAINAL」(@CLUBCITTA/川崎市)のエンディングで発表された、来シーズンのSOMECITYのテーマ。THE FINALの熱戦の余韻に浸る大勢のファンと、さっきまで覇を競ったボーラーたちがコートに集まり、時間と空間を共有するタイミングでSOMECITYを代表し、TANAが熱弁を振るった。
※主な内容は以下の通り
「今日という特別な日に、みなさんにお話をしたいと思いました、聞いてください。僕らは『ストリートボール』という世界を創りたい。じゃあストリートボールって一体何だろう?誰も定義はしていませんが、僕らが考えているのは“究極の遊び”バスケットボールの究極の遊び。遊びたいからやる、こだわる、追求する、スタイルが生まれる……それをみんなに感じて欲しいし、みんなに観て欲しい……それは、競技ではないと思っています。
勝ち負けが関係する競技性はありますが、ストリートボールっていう世界を創るなら、もっと遊ばなきゃいけないと思っています。それを、SOMECITYとしてやっていきたいことがありますから、それを発表します。3つあります」
1.地方展開
「一つ目は『地方展開』。今回集まってくれた地方のボーラーたちがいます。これを来シーズンは倍の規模でやります。ただ、みんなに知って欲しいのは、やりたければ誰にでもできます。地方には地方なりの、そこに合ったやり方が必ずあります。ですから、『やりたい!』というエネルギーを持っている方はどんどん手を挙げてください。そして、地方展開をして、もっともっとSOMECITYを、ストリートボールという世界を広げてきたいんです。
今日、参加してくれたボーラーたちには、これ(その気持ち)を持ち帰って欲しいし、観に来てくださった方々には、周りに伝えて欲しい。そうすれば、必ずこの地方展開が広がっていきますし、(将来性や)可能性は十分にあると思っています」
2.ワールドチャレンジ
「二つ目は『ワールドチャレンジ』。世界のボーラーを日本に呼びます。まだみなさんが観たこともない、凄いボーラーがたくさんいます。僕らも影響を受けました。すごくカッコよくて、スキルが高くて……本当にカッコイイ! それをみんなに伝えたくて、僕らもプレイしてきました。その世界のボーラーに日本に呼んで、みなさんに観てもらいたいし、ボーラーにも肌で感じて欲しい。それをワールドチャレンジというカタチで必ずやります」
3.ピックアップボール
「三つ目は、『ピックアップボール』。ストリートコートで、もっとピックアップゲームをやりたい。年齢や国籍、性別、何も関係ありません。誰でも構いません。そこに集まった人たちでゲームをする、ゲームを楽しむ。それがピックアップゲーム。これをSOMECITYから仕掛けないとこのカルチャーは絶対に出てこない、そう感じました。SOMECITYからアプローチをしていきますし、ブランドやメーカーなどに呼びかけていきます。みんなで日本中のコートでピックアップゲームをやりましょう、もっともっとみんなで遊びましょう。それをSOMECITYから仕掛けていきたいと思っています」
“ボールを持って外へ出よう”
「みんながボールを持って外へ出てプレイする、つながる、それがきっと僕らが始めたストリートボールの原点なんです。その世界を創っていく一番の近道だと思っています。今、さまざまな環境の変化を起きています。3×3を始め競技性の高いものが出来上がって、3on3が盛り上がってきています。それは素晴らしいことです。でも、僕たちはもっともっと大きな視野でストリートボールという世界を創るために考えました。それには、一人ひとりがボールを持って外へ出てほしい、遊んで欲しい。
本当に最高です。この場、プレイしているボーラーも観に来ているみんなも、ここでひとつになって出来上がっているこの空間は奇跡だと思います。ありがとうみんな、“ボールを持って外へ出よう”」
彼らは自分たちがやりたいこと、自分たちができること。
みんなにやって欲しいこと、みんなで一緒につくること。
TANAのメッセージのあと、MC MAMUSHIが声を張り上げた。
「日本のバスケでもっともっと遊んでいけると思う。3×3、3on3で世界へ出て行っています。それは素晴らしい、俺たちも存分に使わせてもらいます……だけど、それだけだと俺たちは満足できないんです。いかにストリートボールというのを育んでいくか、バスケでもって、もっと超カゲキに遊びテーっ! もし、よければ一緒に遊びましょう。ただ、バスケが好きなだけなんですど、よかったら一緒に遊びましょう!」
このテーマについては、改めてSOMECITYのオフィシャルサイトに掲載されるだろう。その時、もう一度味わってみたいと思う。要は、「自分たちがやりたいと思ったことは自分たちで考えて、自分たちが行動するしかない」ということ。そして、「みんなを巻き込んで、自分たちの想像を超える世界を一緒に創っていきたい」というメッセージだと感じた。
トップダウンではなく、ボトムアップしていく──
奇跡だと感じる空間を自分たちで創り、バスケが好きなだけ、そう絶叫できる彼らだから、観ているとやっぱりワクワクするんだなぁ。
文・羽上田 昌彦(ハジョウダ マサヒコ)
スポーツ好きの編集屋。バスケ専門誌、JOC機関紙などの編 集に携 わった他、さまざまなジャンルの書籍・雑誌の編集を担当。この頃は「バスケを一歩前へ……」と、うわ言のようにつぶやきながら現場で取材を重ねている。 “みんなでバスケを応援しよう!”を合言葉に、バスケの楽しさ、面白さを伝えようと奮闘中。