「日本男子代表チームがオーストラリア遠征!?」──FIBAの制裁で国際試合は禁止じゃないの?とご心配の皆さん、FIDバスケットボールをご存知でしょうか?
広義では「障がい者のバスケットボール」だが、身体的な障がい者の競技(車いす)ではなく、知的障がい者のための競技だ。
2000年のパラリンピックシドニー大会で、男子のみ正式競技として採用されたものの、優勝したスペイン代表チームの選手参加資格に不正が発覚し、2004年以降、パラリンピックの競技としては外されている現状にある。FIBA、JBAともに確認をし、障がい者のバスケットボールがFIBAの直轄団体ではないため、今回の遠征もFIBAの制裁を受けることはない。選手・スタッフは元気いっぱい出発!
日本国内では日本FIDバスケットボール連盟主導の下、9つの都道府県に連盟が設置されている。日本連盟主催の全国大会『FIDジャパン・チャンピオンシップバスケットボール』は今夏で20回目を数え、また、毎年、国民体育大会終了後に『全国障がい者スポーツ大会』が開催されている。一昨年の東京大会では皇太子ご夫妻がご観戦され、日本連盟の小川直樹理事長が説明役を仰せつかった。
FIDバスケットボール“日本代表”が本格的に活動し始めたのは1999年のこと。2000年のパラリンピック以降、上部団体のInas(国際知的障がい者スポーツ連盟)が開催するグローバル大会、競技別で開催される世界選手権等に出場しているが、世界のレベルは非常に高く、その点においては健常者のバスケットボールと同様だ。
諸外国では当たり前の200㎝を超えるサイズの大きい選手と戦うことは国内では皆無。世界レベルに照準を合わせ、日本代表の強化合宿では健常者の高校生、一般のクラブチーム等と実戦練習を繰り返している。2014年度の日本代表の強化合宿はすでに第3次合宿が昨年12月28日~30日に終了した。
そして、頑張る選手たちを後押しするように、FID日本男子代表チームのオーストラリア遠征の出場許可が下り、2月の下旬から始まる『Ivor Burge Championships 2015』への参加が決定した(オーストラリアチームとの親善試合も予定)。この大会はオーストラリアバスケットボール協会が主催し、健常者のU-20の国内選手権も同時開催される。日本で言えば、上記の国民体育大会と全国障がい者スポーツ大会のバスケットボール競技が合致されたものと言えそうだ。
スポーツ大国オーストラリアならではの発想であり、障がいのある、なしに関係なくスポーツとして捉えていることは大いに共感できる。日本も2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてさまざまな動きをしているとのことだが……。
日程:2015年2月22日(日)~2月28日(土)※親善試合は3月1日(日)
さて本題はここから。この遠征に関して“支援金募集のご協力”をというお願いです。日本FIDバスケットボール連盟の小川理事長によると、
「スポンサー獲得は鋭意努力中ですが(日本の経済状況も上向きが実感できない中)、非常に厳しい状況に変わりはありません。連盟の強化費は限界で、今大会のチーム派遣も自己負担の状況です。“選手たちは必死に社会を生き抜き、その合間を縫って大好きなバスケットボールに日々打ち込んでいます。余暇活動をしている場合ではないと現実的に捉えがちですが、バスケットボール競技を通じてのグローバルな感覚、経験を経て社会参加の促進へとつなげ、自己の存在価値を高めることができる”のです」とのこと。
このコメントはバスケを愛するすべての人に共通しており、理解できるのものではないでしょうか。ぜひともご協力をお願いします。
【FID日本男子代表チーム強化活動支援金に関する問い合わせ先】
関 圭子(日本FID連盟 総務財務担当)
携 帯:090-3476-2375
FAX:045-785-2070
メール:kseki170@w5.dion.ne.jp
*ご連絡の確認後、添付fファイルを送信
羽上田 昌彦